広島市南区にある小さな山、比治山は国有地を広島市が比治山公園として維持管理をしており、その実務は南区役所が行っています。
比治山は広島市中心部に位置する、貴重な自然にプライスレスで触れることができる身近な森です。
遊歩道や広場などはきれいに整備されていますが、豊かな自然の残る山肌は長年ずっと放置され続けてきました。
下草・笹は生え放題、立ち枯れ樹木や竹はどんどん増え、その鬱蒼とした山肌には多くのポイ捨てされたゴミや不法投棄された大きなゴミが散乱しています。
特に最近のBBQブームの陰で問題になっているBBQ後のゴミ問題は、比治山も例外ではありません。
私達はこの身近で豊な自然の残る比治山の森を守り育て、次の世代へと引き継ぐことができる環境保全活動を行っています。
活動内容は、山肌に捨てられたゴミを1つ1つ拾う作業、定期的な下草・笹刈りや落ち葉かきなどです。
毎年梅雨入り前には、梅雨から夏にかけてすごい勢いで伸びる下草・笹を刈る作業をしています。
今年も…、と思ったところ、予想以上に梅雨入りが早く、梅雨に入ってからの作業となりました。
今回は2つのエリアに分かれての作業です。
1つは下草刈りエリア。
ここはもう長年作業を継続しているエリアで、毎年のことを考えると笹はほとんど生えなくなり、下草が少し生える程度と、整備もだいぶ安定してきました。
問題はもう1つの笹刈りエリアです。
ここは今回が初めての作業。
新緑の季節になると色々な植物が青々としてとてもきれいな場所だったのですが、近年笹に侵食されてしまい、その植物達は姿を消してしまいました。
それまであった植物がなくなると生態系も変化します。
大人の背丈以上に伸びた笹。
1本1本剪定鋏で切っていきます。
さらに、伸び放題になった蔓が笹と絡まってカオス状態。
蔓をほどき切って、笹を切って…。
今日で笹エリアの作業は終わりきらず、持ち越しとなりました。
笹が生えていた場所を見ると、何の植物も生えていません。
笹に栄養をとられ、どんどん伸びる笹の日陰になり、いつの間にか笹以外の植物は消えてしまったようです。
でも緑は必ず再生します。
比治山も第二次世界大戦時、原爆が投下され焼け野原となりましたが、そこから少しずつ緑が再生したのです。
自然の整備活動は一過性のものではなく、コツコツと継続していくことが大切です。
これまでも荒れ果てた山肌を整備し、子ども達や地域の方々が気持ちよく安心して過ごせる場所をつくってきました。
時間はかかりますが、笹エリアもまた緑豊な場所にしたいと思います。
この活動は、国土緑化推進機構「緑の募金」事業活動です。