NPO法人森いく比治山 ブログ
ストックホルムにある2つの保育園へ視察に行きました。
スウェーデンの保育園は、一般的に午前中は屋外での活動が多く、雨でも雪でも毎日自然の中で過ごすということで、さくらっ子森いく園に通ずるものがあるなと思いました。
1つ目の園は、ストックホルム近郊の住宅街の中にあり、近くに森や湖があります。
この日はゴミの問題について考えるという課題の元、それぞれのクラスが(1歳児から5歳児まで)湖周辺に出かけて行き、春の植物などを観察しつつ、ゴミを拾って回っていました。
1時間ほどかけてゴミ拾いをした後、園に帰り、全てのクラスが集まり、拾ってきたゴミをみんなで相談しながら分別します。
これは土に還るゴミか、そうでないものか。危険なゴミか、そうでないか、など。
小さなクラスの子ども達にも、しっかり話に参加させている姿が印象的でした。
こうして小さい頃から生活の中で、環境について考える時間を持つことが、環境へ対する意識を高めることにつながるのだなと改めて実感しました。
2つ目の園はストックホルムの東側にあるリディンゲという場所にある園児30名ほどの園です。
この日の気温は0度でしたが、こちらの園もまた寒さは関係なく、雪の降る中森へお散歩に出かけて行きました。
森の中で、子ども達は基本的には自由に活動していますが、3つだけ約束事がありました。
1つ目は、大人の見えない所へは行かない。
2つ目は、花などの植物は摘んでいいけれど根っこからは抜かない。
3つ目は、森の中に入ったら大きな声を出したり大騒ぎしない。
2つ目の植物を根っこから抜かないのは、根っこから抜かなければ、またそこでその植物が育つことができるからです。
3つ目については、森は私達のものだけではなく、色々な生き物の暮らす場所でもあるということ。そこへ私達も一時お邪魔させてもらっているんだということを忘れないように、ということです。
お散歩中、5歳児のクラスでは光合成についての説明をされていました。
子ども達にもとても分かりやすい表現でお話されていました。
やはりこちらの園でも、小さい頃から環境について考える事をとても重要視し、保育をされているのだなと感じました。
今回訪れた2つの園が特別このような方針という訳ではなく、森の中ではいくつか別の園の子ども達とも遭遇しました。
森に出かける事がごく自然なことのようです。
スウェーデンは日本と同じ国土の7割が森林という環境にあります。そのことを意識した環境教育がしっかりなされているのではないかと感じました。
もうひとつ、とても驚いた事として、スウェーデンでは乳児のお昼寝はどんなに寒い日でも外で行うとの事。前述の2つの園もお昼寝スペースは屋外にありました。
これは健康のために昔から当たり前の風習のようです。
日本では考えられませんが、子ども達はとても気持ちよさそうに眠っていました。